「自分に合うサイズの靴が見つからない…」 「ランニング中に、小指や足の側面が擦れて痛くなってしまう」 「デザインは気に入っているのに、幅が狭くて泣く泣く購入を諦めた経験がある」
ランニングシューズを選ぶ際、多くのランナーが直面するのが、この切実な「足幅(ワイズ)」の問題です。特に、欧米のブランドに比べて足幅が広めと言われる日本人にとって、これは避けては通れない課題かもしれません。選択肢が限られたり、無理に合わないシューズを履き続けることでマメやタコ、爪のトラブルを抱えたりと、深刻な悩みを抱えている方も少なくありません。
そんな足幅広めの”シューズ難民”とも言えるランナーにとって、非常に心強い味方となるのが、日本のスポーツブランド**「ASICS(アシックス)」**です。アシックスは、長年にわたり日本人の足を科学的に研究し続け、その膨大なデータに基づいた多彩な足幅のモデルを展開しています。
この記事では、アシックスが誇る幅広ランニングシューズのラインナップを徹底的に比較し、あなたの足と走りのスタイルに最適な「運命の一足」を見つけるための選び方を、より深く、より具体的に解説します。もう、「幅が合わないから」という理由で、快適なランニングを諦める必要はありません。
まずは基本から!アシックスのワイズ(足幅)表記を理解しよう
アシックスのシューズには、サイズ(cm)だけでなく、足の周囲の長さを示す「ワイズ」が設定されています。主に以下の種類があり、自分の足に合ったワイズを選ぶことが、快適なランニングへの第一歩となります。
- NARROW (ナロー) / SLIM (スリム) アシックスの基準よりも幅が狭いモデル。主に女性用で「E」相当とされています。
- STANDARD (スタンダード) 基準となる標準的な幅。JIS規格に基づき、男性用で「2E」相当、女性用で「E」相当とされています。一般的なスポーツシューズの多くがこの幅を基準としています。
- WIDE (ワイド) 標準よりも幅が広いモデル。男性用で「3E」相当、女性用で「2E」に相当します。足幅が広いと自覚している方の多くが、このモデルで快適なフィット感を得られる可能性があります。
- EXTRA WIDE (エキストラワイド) ワイドよりもさらに幅が広い、最も幅広なモデル。男性用で「4E」相当、女性用で「3E」に相当します。これまでどんな靴を履いても窮屈さを感じていた方にとって、救世主となりうる選択肢です。
【ポイント】 一般的に、日本人には「幅広・甲高」の足型が多いと言われています。普段履いている靴で小指の付け根あたりが窮屈に感じたり、圧迫感があったりする方は、まず「WIDE (ワイド)」モデルから試着してみるのがおすすめです。専門店では専用の3Dスキャナーで足のサイズとワイズを正確に計測してくれるサービスもあるので、一度自分の足の正確なデータを把握しておくことも、シューズ選びの失敗を減らす上で非常に有効です。
なぜアシックスは幅広の足に支持されるのか?3つの明確な理由
アシックスが多くの幅広ランナーから絶大な信頼を得ているのには、他のブランドにはない、明確な理由が存在します。
- 世界屈指の「日本人向け足型データ」 アシックスの強さの根幹は、神戸市にある「アシックススポーツ工学研究所」にあります。ここでは、1980年代から今日に至るまで、数万、数十万人規模の日本人の足を3次元で計測・分析し続けています。この膨大な「足型データ」に基づき、日本人の足の平均的な形状や特徴にフィットしやすい、緻密に設計された靴型(ラスト)を開発しているのです。これが、アシックスのシューズが「足馴染みが良い」と言われる最大の理由です。
- 人気モデルに必ず用意されている「豊富な幅広展開」 他ブランドでは、幅広モデルは一部のエントリーモデルに限られたり、カラーバリエーションが少なかったりすることが少なくありません。しかしアシックスは、ブランドの顔とも言える主力モデル、例えば「GEL-KAYANO」や「GT-2000」、「GEL-NIMBUS」といったシューズのほとんどに、必ずと言っていいほど「WIDE」や「EXTRA WIDE」の選択肢を、スタンダードモデルと同じカラー展開で用意**しています。これにより、ランナーは「足幅が広いから」という理由で機能やデザインを妥協することなく、自分のレベルや走りの目的に合わせて、最適な一足を選ぶことができるのです。
- 幅広モデル専用設計による「妥協のない機能性」 アシックスの幅広モデルは、単にスタンダードモデルのアッパー(甲の部分)の生地を大きくしただけのものではありません。幅広の足に合わせ、ミッドソールやアウトソールの設計も微調整されています。幅の広い足が乗ることを前提に、クッション材やサポートパーツが最適な位置に配置されるよう設計されているため、幅広モデルでもシューズ本来の機能性が損なわれることなく、全てのランナーに最高のパフォーマンスを提供してくれるのです。
【目的別】アシックス幅広シューズ徹底比較!あなたに合うのはどれ?
アシックスの豊富なラインナップの中から、特に人気が高く、幅広モデルの展開も充実している代表的なシューズを目的別に、より詳しく比較します。
■ とにかく「安定感」を最優先したいあなたへ
GEL-KAYANO (ゲルカヤノ) シリーズ
- 特徴: “キング・オブ・スタビリティ”と称される、アシックスを代表する安定性サポートモデル。着地時に足が内側に過度に倒れ込む**「オーバープロネーション」を抑制する機能(4Dガイダンスシステム™など)**に非常に優れており、長距離を走ってもフォームが崩れにくく、ブレのない安定した走り心地を提供します。クッション性も非常に高く、衝撃からもしっかり足を守ります。まるで高級セダンのように、どっしりとしていて安心感のある履き心地です。
- 幅広モデル: WIDE (3E相当), EXTRA WIDE (4E相当) の展開あり。
- こんなランナーに:
- ランニング中盤以降に、膝の内側やスネに痛みが出やすい方
- 扁平足気味で、シューズの内側が極端にすり減る方
- フルマラソン完走を目指す方や、体重が重めでしっかりとしたサポートが欲しい方
■ 「クッション性」と「安定性」の絶妙なバランスを求めるあなたへ
GT-2000 (ジーティーツーサウザンド) シリーズ
- 特徴: GEL-KAYANOと同様に安定性を重視しつつ、より軽量で軽快な走り心地を実現した、世界中で愛されるベストセラーモデル。適度なサポート力と快適なクッション性を高い次元で両立しており、日々のジョギングから本格的なレースペースでのトレーニングまで、非常に幅広いシーンで活躍します。多くのランナーにとって「これさえあれば間違いない」と思わせてくれる、信頼性の高い一足です。
- 幅広モデル: WIDE (3E相当), EXTRA WIDE (4E相当) の展開あり。
- こんなランナーに:
- 安定感は欲しいが、GEL-KAYANOほどの強力なサポートは必要ない、または重さが気になる方
- 週に数回、定期的にランニングを楽しんでおり、日々のトレーニングの相棒を探している方
- 初めて本格的なランニングシューズを買うが、どれを選べばいいか分からない方
■ とにかく「優しいクッション」に包まれたいあなたへ
GEL-NIMBUS (ゲルニンバス) シリーズ
- 特徴: アシックスの中で最もクッション性を追求したニュートラルモデル。「ニンバス」はラテン語で「雲」を意味し、その名の通り、雲の上を走るような非常にソフトで快適な履き心地が最大の魅力です。最新モデルでは、衝撃吸収性に優れた「PureGEL™」や、環境に配慮したクッションフォーム「FF BLAST™ PLUS ECO」などを採用。衝撃吸収性に極めて優れ、足や膝への負担を最大限に軽減します。
- 幅広モデル: WIDE (3E相当), EXTRA WIDE (4E相当) の展開あり。
- こんなランナーに:
- 走行時の膝や腰への負担が気になる方
- とにかく柔らかく、優しいマシュマロのような接地感が好きな方
- LSD(ゆっくり長く走る)や、レース後の疲れた足で行うリカバリージョグがメインの方
■ 「弾むような楽しさ」をエネルギッシュに味わいたいあなたへ
NOVABLAST (ノヴァブラスト) シリーズ
- 特徴: ポンポンとトランポリンのように弾む、ユニークでエネルギッシュな走り心地が人気のニュートラルモデル。**幾何学的なデザインの厚いミッドソール(FF BLAST™ PLUS ECOなど)**が、着地のエネルギーを効率よく反発力に変換し、走る楽しさや高揚感を引き出してくれます。まるで足にバネがついたような感覚で、気分を上げて軽快に走りたい日に最適な一足です。
- 幅広モデル: 近年のモデルでは WIDE (3E相当) の展開あり(モデルにより異なるため要確認)。
- こんなランナーに:
- いつものランニングに新しい刺激や「楽しさ」が欲しい方
- テンポアップ走やインターバル走など、スピードを出すトレーニングにも使いたい方
- 優しいクッション性だけでなく、前に進む推進力や反発性も重視する方
自分にピッタリの一足を見つけるための選び方ガイド
「色々あるのは分かったけど、結局どれを選べばいいの?」という方のために、簡単な選び方のフローをご紹介します。
Step 1:自分の「走り方の癖(プロネーションタイプ)」を知る まずは、今履いているランニングシューズ(なければ、よく履くスニーカー)の靴底を見てみましょう。
- 内側が極端にすり減っている場合 → オーバープロネーションの可能性が高いです。着地時に足首が内側に倒れ込みすぎている状態で、膝などへの負担が大きいとされています。「安定性」を重視した GEL-KAYANO や GT-2000 が、その倒れ込みを抑制し、正しいフォームへ導いてくれます。
- かかとの外側がすり減り、つま先は中央あたりが減っている場合 → ニュートラルプロネーションの可能性が高いです。理想的な足の運び方と言えます。走り心地の好みに合わせて、「クッション性」を重視するなら GEL-NIMBUS、「反発性」を重視するなら NOVABLAST を中心に考えましょう。
Step 2:「どんな走り心地が好きか」という感性で選ぶ 走り方の癖が分かったら、次はあなたの「好み」です。
- ブレない安心感、どっしりとした安定した乗り心地が好き → GEL-KAYANO
- 安定感も欲しいけど、軽快さも捨てがたい。バランス重視 → GT-2000
- とにかくフワフワ、マシュマロのような優しい感触に癒されたい → GEL-NIMBUS
- 地面からの反発を感じて、エネルギッシュにポンポン弾むように走りたい → NOVABLAST
Step 3:「主なランニングの目的」で絞り込む 最後に、あなたがどんな目的で走るのかを考えます。
- 健康維持のためのジョギング、長距離を快適に走りたい → GEL-KAYANO, GEL-NIMBUS
- 日々のトレーニングで、様々なペースで走りたい → GT-2000, NOVABLAST
- フルマラソン完走が目標で、最後まで足をサポートしてほしい → GEL-KAYANO
この3つのステップを踏むことで、数ある選択肢の中から、あなたに最適なモデルが自ずと見えてくるはずです。
まとめ:もう「幅」で悩まない。アシックスで最高のランニング体験を。
足幅が広いということは、決して欠点やハンデではありません。それは、あなただけが持つ大切な足の「個性」です。重要なのは、その個性に合ったシューズを正しく選び、足にストレスをかけることなく、ランニング本来の楽しさを味わうことです。
アシックスは、そんな足幅に悩む多くのランナーに対して、長年の研究に裏打ちされた豊富な選択肢と、一切の妥協のない高い機能性で応えてくれます。
もう「どうせ合うサイズなんてない」と、デザインや機能を諦める必要はありません。この記事を参考に、あなたの足にピッタリとフィットし、走る喜びを最大限に引き出してくれる、最高の「相棒」を見つけてください。
正しいシューズは、あなたのランニングの世界を、もっと広く、もっと快適で、そしてもっと楽しいものへと、間違いなく変えてくれるはずです。
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